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8.持病がある方へのアドバイス

電話番号:03-3202-1012(直通)

現在、何か持病をお持ちの方で海外渡航をされる方は、長期、短期にかかわらず、出かける前に必ずかかりつけの医療機関を受診し、渡航中における病気の管理や、緊急時の処置などについて確認しておく必要があります。

長時間のフライトはそれだけで体に大きな負担がかかりますし、現地での医療システムの違い、言葉の障壁などから、日本と同じ条件での治療が困難である場合もあります。特に現在内服中のお薬がある方は、その薬の内容(商品名ではなく成分名)が書かれた英文診断書を携帯することをお勧めします。

疾患別のポイント

糖尿病

出発前に

  • HbA1c値を7パーセント以下にコントロールして、主治医にチェックしてもらいましょう。
  • 合併症をお持ちの方でも、それが安定していることが重要なことです。
  • 感染症にかかりやすいので、予防接種を積極的に受けるようにします。
  • 管理と治療に必要なものは、チェックリストを作っておくと良いでしょう。
  • 医薬品は多めに持参し、必ず手荷物の中に入れます。 緊急時に備えて、日本糖尿病協会の企画による英文カード(Diabetic Data Book)を携帯すると便利です。
    日本糖尿病協会のサイトは関連リンクをご参照ください。
  • インスリン治療中の場合は、英文のインスリン携帯証明書があると、手荷物カウンターなどでのトラブルを回避できます。
  • 機内では食事の配膳が一定しないので、インスリンは食事30分前ではなく直前に注射するようにします。

海外滞在中

  • 外食が多くなるので、しっかりと自己管理をする必要があります。
  • 車を利用することが多くなるので、適度な運動を心掛けるようにします。
  • 主治医とよく相談し、現地での生活環境に合った治療計画を立ててもらうようにしましょう。

高血圧

出発前に

  • 自分の血圧がだいたいどのくらいなのかを毎日測定し、記録をしておくと環境の変化での変動が把握できます。
  • 合併症をお持ちの方は、航空機搭乗に適しているかどうかの確認が必要です。
  • 医薬品は多めに持参し、必ず手荷物の中に入れます。

海外滞在中

  • 内服薬のある方は、滞在中でもしっかりと継続してください。
  • 外食が多くなるので、塩分の取りすぎには十分ご注意ください。
  • 携帯用の血圧計をお持ちの方は、毎日血圧自己測定を行うと良いでしょう。
  • 主治医とよく相談し、現地での生活環境に合った治療計画を立ててもらうようにしましょう。

気管支喘息

出発前に

  • 発作が誘発される場合に備え、普段使用している吸入薬を用意します。
  • 機内では脱水により発作が誘発されるおそれがあるため、吸入薬は必ず手元に置き、水分をこまめに補給します。
  • 最近発作を起こした方は、安定するまで航空機搭乗は控えた方が無難です。
  • 衛生状態の悪いところでは発作が誘発されることがありますので、現在内服をしていない方でも、発作時の薬は持って行かれた方が安心です。

海外滞在中

  • 緊急時に備え、受診できる医療機関を確認しておきましょう。

慢性腎不全

出発前に

  • かかりつけの医療機関を受診して、主治医とよく相談をします。
  • 医療サポート機関や、海外での透析日程を組み込んだツアーを企画している旅行会社と連絡をとり、早めに予定を立てます。
  • 英文診断書、英文情報提供書などの書類を用意します。
  • 血液透析の場合は、渡航地の透析施設を確保しておきます。
  • 携帯式腹膜透析の場合は、携行品を確認しておきます。特に、渡航先に合った電源コンセントやアダプターは忘れがちです。

海外滞在中

  • 日替わりで宿泊先が変わるより、同一都市に連泊するようなスケジュールの方がゆとりをもって旅行ができます。